Episode 01
住む人が
「この街のために何かしたい」
と思う街づくりを目指す
流石 夏歩
開発企画本部 プロジェクト企画部
2017年入社

住宅に限らず、オフィス・商業施設・ホテルなど、総合的な分野での開発に挑戦できる会社として、野村不動産を志望。入社後は、複合開発(行政と一体となった複合的な施設の開発を核とした新しい街づくり)を担当する部署に配属。開発の主体となる事業者を選定するコンペに向けた企画立案、開発が軌道にのるまでのプロジェクト推進業務を担当している。

※所属部署はインタビュー取材当時のものになります。

入社1年目でコンペの提案書を作成

入社1年目から2年目にかけて、私は板橋駅板橋口地区第一種市街地再開発事業の事業者選定のコンペを担当しました。この事業は、板橋区有地とJR東日本用地を一体利用し、商業施設・公益施設・住宅施設からなる複合的な施設開発を進めることで、駅前にふさわしい、活気あふれるにぎわい拠点の形成を目指すものです。

また、「人が集い交流する公益的空間」「国籍や年齢を超えて多様な主体がつながり新たな価値を生み出す街」といった板橋区が描く未来の都市計画のコンセプトを実現する、非常にやりがいのある事業でした。しかし、知識も経験もない私がゼネコンや設計会社をはじめとする社外の方を巻き込んで協力をとりつけて、事業者として採用されるふさわしい提案書を作成することは、容易ではありませんでした。

出てくる意見、出てくる意見に影響されては提案内容の方針を一転二転させて、そのつど関係者に迷惑をかけて、混乱を生じさせてしまいました。それでも「ここにしかない街をつくる開発の仕事は、正解のない世界。だからまずは自分で答えを考える。次に、それが正解となるように行動していけばいいのだ」というインストラクター(OJTの教育担当の先輩社員)からのアドバイスに後押しされて、なんとか提案書を完成させて、しかも事業者選定を勝ち取ることができました。

組織を越えて、議論するエキサイティングな体験。

私が関わった2つめの複合開発プロジェクトは、中野駅新北口地区駅前拠点施設整備事業でした。中野区役所、中野サンプラザが街の顔となっている中野駅北口エリアの大規模な敷地で行われる、ホール・オフィス・住宅・商業・ホテルなどで構成される再開発事業です。

音楽・サブカルチャー・食など多様な文化を育んできた中野の街づくりに寄与するプランを目指して、私は代表事業者・野村不動産の担当者として共同事業者である商社、鉄道会社、不動産会社の皆さんと幾度も熱い議論を交わしました。「20名あまりの参加者が組織を越えて、面白い提案書をつくろうと同じ方向に向かってアイデアを出し合う」というエキサイティングな体験でした。

この時に嬉しかったのは、私たちの提案書の肝となる文化の発信力をプレゼンテーションするページに自分の考案した図版が採用されたこと。色づかいやオブジェクトの配置を何通りも試して、こだわってつくりあげた努力が報われてとても達成感がありました。また、社外の経験豊かな皆さんが集まったプロジェクトで一つの役割を果たせたことにより、「新人の時から責任のある仕事を任されて、自分が思うよりも早く成長できているのだろう」と自信が湧いてきました。

「一緒に働きたい」と言ってもらえる人に

複合開発のプロジェクト推進は、それをもとにすれば業務を進められる雛型のない仕事です。さらに社内外のさまざまな人と関わりながら事業を前に進めていきますから、経験の浅い自分がベテランの方々に対してリーダーシップを発揮しなくてはいけないという難しさもあります。

だから私は「流石さんが頑張ってるから、協力しよう」「流石さんといっしょに働きたい」と思ってもらえる人にならなくてはいけないと考えています。頑張っていない人は誰も認めてもらえませんから、「努力が無駄になることを恐れない」「やるべきことは時間がかかってもやり切る」をモットーに、日々全力で駆け抜けていくことを心がけています。

当面の目標としては、任されている板橋の事業を着実に進めていくこと。将来は、住宅やオフィス、商業施設など、様々な種類のアセットの開発事業を経験した後に、そこで得た知見を強みとして再び複合開発事業で活躍したい。そしていつかは、「この街が好き」「この街に住んでよかった」という気持ちを越えて、住まう人が「この街のために何かしたい」「この街に貢献したい」と思ってもらえる街づくりができたら最高です。